5.「白鳥の湖 第3幕」のあらすじ
一夜が明け、宮廷では王子のための舞踏会が幕を開けました。会場は、スペイン、ナポリ 、ハンガリー、ポーランドなど様々な民族舞踊で盛り上げられ、この日集まった花嫁候補の姫君達も優雅なワルツを披露します。
しかし、ジークフリートの心中にあるのは、昨夜愛を誓ったオデット姫のことだけです。王妃の意に反し、この場から自らの妃を選び出そうとはしませんでした。
その時、高らかなファンファーレが鳴り響きます。フォン ロッドバルトと名乗る見慣れない貴族が、娘のオディールを連れて入場してきました。黒いドレスに身をまとった美しいこの女性は、オデット姫にとてもよく似ています。
妖艶な力で、ジークフリートを魅了する黒鳥姫オディール。はじめは半信半疑だった王子でしたが、やがて彼女をオデット姫だと信じ込まされ、オディールに向けて愛を誓ってしまいます。
不敵に笑うロッドバルト男爵。そして窓辺には、その様子を見つめていたオディールの悲壮な姿がありました。